婚外恋愛という関係の中で、僕たちがどんな時間を過ごしているのか。
今日は、そんな「デートのかたち」について、少しだけ書いてみようと思います。
特別なことは何もないけれど、だからこそ、ひとつひとつの時間が心に残るのです。
会うのはいつも平日。短い時間でも意味がある
僕たちが会うのは、主に平日の日中です。
お互いに家庭があるので、休日や夜に時間を作るのは難しいのが現実です。
そのため、仕事の合間に有給を取ったり、たまたま空いた時間を使って会うようにしています。
「次、いつ会える?」
そんなやり取りから始まって、予定を合わせるのも、ちょっとした楽しみです。
まるで学生のような気分になります。
限られた時間の中で、「今日はどこ行こうか」「何食べようか」と相談する時間すら愛おしく感じるのです。
カフェでゆっくり話すだけの時間が、いちばん好き
特別なプランがあるわけではありません。
会って一緒にランチをして、そのまま静かなカフェで並んで座りながら他愛もない話をする。それだけで、十分幸せです。
最近ハマってるドラマの話や、家であったちょっとした出来事。
職場での愚痴も、誰よりも真剣に聞いてくれるのが彼女です。
「わかるよ、それ」「それは大変だったね」
そんな言葉をもらうだけで、なんだか救われた気持ちになります。
お互い、日常の役割から少しだけ離れて、ただの“自分”としていられる時間。
それが何より心地いいのです。
雨の日は、車の中がふたりの世界になる
雨が降る日は、少し離れた公園の駐車場に車を停めて、そこで話をしたり、音楽を聴いたりします。
「この曲、好きなんだよね」
「懐かしいね、それ。高校の時流行ってた」
窓を伝う雨粒を眺めながら、ただ隣にいる時間。
ふたりだけの世界に閉じこもるような、秘密の空間です。
外に出なくても、手をつないで笑い合えるだけで、充分に満たされるのです。
時にはホテルで、静かに寄り添う
すべてが許されるわけではないこの関係において、心も身体も近づける場所は限られています。
時には、駅近くのホテルで数時間だけ過ごすこともあります。
それは決して“欲”だけの関係ではありません。
部屋に入った瞬間、お互いに力が抜けて、素のままの自分になれる。
そんな場所が必要なのです。
お風呂に一緒に入って、ふたりでお湯につかりながら語り合うこともあります。
「もっと長く一緒にいたいね」
そう言って、どちらかが冗談っぽく笑いながら、でもどこか本気で、次の再会を願うのです。
別れ際の「またね」が、いちばん切ない
楽しい時間は、いつもあっという間に過ぎていきます。
帰り道、駅の改札前で小さく手を振って別れる瞬間が、僕は一番つらいです。
「気をつけて帰ってね」
「うん、そっちも」
何度交わしても慣れない会話。
本当はもっと一緒にいたい。
でも、それを口に出すことはお互いにしないルールのようになっています。
ふたりとも、背中にそれぞれの現実を抱えているからこそ、この関係を壊さないように、どこかで線を引いているのだと思います。
それでも、また会いたくなる
僕たちのデートは、世間で言う“特別なこと”はしていません。
高級レストランも行かないし、テーマパークにも行かない。
ただ会って、話して、笑って、そっと触れ合うだけ。
それでも、こんなに心が動くのはなぜだろう。
彼女の前では、自分の弱さも迷いも出せる。
だからこそ、また会いたくなるのです。
婚外恋愛という言葉の響きは、どこか後ろめたさを含んでいます。
でも、そこにある感情はきっと、どんな恋愛と同じように本物です。
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